4歳から始める中学受験

キッズデュオインターナショナル(Kids Duo International)に関連したあれこれはTwitter(@ganetter365)で呟いています。

声優を目指して行き着く舞台俳優の実態とは

皆様こんばんわ

 

以前の記事の中で、私の大学生時代の友人である町田君から様々なことを学び、私は今日に至っているということを書きましたが、その町田君は一体何をしていて、一体何者なのか、ということをお伝えしようと思います。一部に蔑むような表現が含まれてしまう可能性がありますが、決して町田君がどうのこうのではなく、現実がこうだというだけで他意はありません。

 

まず大学卒業後、声優の専門学校へ通った後、フリーターになったところまでは良しとします。ちなみにこの専門学校で才能が見いだされた人は、声優を擁する事務所に所属し、各種アニメやナレーション等の声を使う仕事のオーディションを受けるという流れが一般的なようです。

 

町田君ルートの先で多くの人が行きつくのが「舞台俳優」という肩書(?)のようです。そしてこの舞台俳優というものが非常に闇が深い。

 

大卒は比較的レアケースかもしれませんが、町田君のような経緯で舞台俳優を名乗る人は大勢存在するようです。このような舞台俳優の人たちが演じる台本を書く脚本家も存在していて、その台本を元に稽古を行い、小道具を作成し、舞台設営を経て数日間に渡る公演を行っています。

 

そして唯一にして最大の闇は、この舞台の観客は「この舞台に出演していない同様の舞台役者である」ということです。

 

売れない舞台俳優の公演を見に来るのは売れない舞台俳優、自分を見に来てくれた舞台俳優の公演を今度は自分が観に行く。演者と観客が交互に入れ替わっているだけで成立させています。

 

私の第一感は「子どものピアノの発表会」でした。ピアノの演奏を聴いているのは演奏を終えた、もしくは自分の出番を待っている子どもと、子どもの親族、および講師です。一般人向けにチケット販売を行っていたり、近くを通りかかった無関係の人が「おっ、発表会やってるのか!ちょっと聞いていこうか!」なんてことはありません。

 

日々アルバイトで生活費を稼ぎつつ、舞台の稽古に励み、公演を行い、来てくれた人の分だけ自分もその人の公演を観に行く。これが繰り返されています。Twitterで告知をしても、また観た公演がどんなに素晴らしかったかをツイートしても意味がありません。フォロワーが全員舞台俳優です。

 

どんなに無名で今はまだ売れていない俳優だったとしても、観客が一般人であればまだ希望が持てます。バズったりして一躍有名人となる大逆転があるかも知れません。しかし知りもしない人が演じるよくわからない舞台を3,000円支払って観に行く人がいるでしょうか。いません。

 

演じて集めたお金が場所代に消え、アルバイトで稼いだお金が生活と舞台観覧に消える。この無限ループを町田君は10年続けています。

 

ここから抜け出すには単に舞台俳優を辞めればいいわけですが、そう簡単にはいかないようです。そもそも声優の夢に破れた後、選んだのが舞台俳優だというわけではなく、最後の受け皿がこの舞台俳優なので、次には何も控えていません。辞めればそこに広がるのが無となれば、簡単に選べる選択肢ではないであろうと私でも分かります。

 

町田君が飛躍のために何か別の努力をしていれば希望の光が見えるかも知れません。しかし彼は「アニメを見る」「映画を観る」「本を読む」と言った娯楽を、舞台の為だなんだと理由付けをして「努力」だと言い張ります。

 

その「努力」を以って本当に夢を叶えられると信じているのであれば、本人が幸せなのであればいいのかも知れません。しかし声優専門学校を卒業し、何者でもなくなった直後、私が彼と最後に会った時に彼は言いました、「不安で寝れない夜がある」と。

 

 

端的にもう救いようがないのです。もう私にはどうすればいいのか分からない。私に出来ることがあるとすれば、そんな町田君から何かを学び、前に進み続けることだけです。

 

まず私が思うことは、声優を「志した瞬間」、そもそもこの時点で試合終了だったのだろうと思います。本当に心から声優になりたければ、志して大卒後に声優専門学校へ行くより先に、気づけば何かしらの行動を起こしていたんじゃないかと思います。

 

10年前の話なので今程Youtubeが活況だったわけではありませんが、Youtube含めその他動画配信サイトは多数あり、何かしらの活動は大学在学中から出来たはずです。本当に好きなのであれば、アニメの映像を音声ミュートにして自分で全部吹き替えて遊ぶくらいのことをしていてもおかしくないんじゃないかとも思います。声優になるためにはどうすればいいか、を考え志した時点で、第一歩目が何かしらの行動を起こしている人に負けているのは確実です。

 

これは私自身にも言えることで、何か好きな事・趣味を見つけたい、などと思った時点でその後考えたものが趣味として定着する可能性は極めて低く、今既に好きでやっていることが自分の全てなんだろうと思います。誰かに影響を受けて新たな趣味に出会うことはあるかも知れません。ですがそれはそれを趣味にしようと頭で考えるより先に、もうやりたくて仕方なく既に行動を起こしているはずです。

 

もちろん子どもに対しても言えることで、子どもが今既に好きでやっていることの先を将来の夢とした時、それは親として全力で応援すべきことですが、行動するより先に夢を語り始めたらそれはまず叶わないんだろうと思います。

 

本当に好きなことは親が何もせずとも勝手に出会って勝手に好きになってのめり込んでいくような気もしますが、親として何か手伝うことが出来るとすれば、子どもが何が好きになるか分からない=いろいろな経験をさせるべき、という一般的な考えは正しいように思います。

 

 

次に思うことは、もし町田君が普通に正社員としてきっちり働いている傍ら、声優や舞台俳優になるべく地道な活動を続けていたとしたら。こう考えるだけでもう全くの別次元の話に思えてきます。

 

「アルバイト+声優」は「救いようがない」なのに対して、「正社員+声優」という、しっかりとした生計を立てた上で好きなことに没頭している状況は、一般的には羨ましがられる部類に属するものだと思います。若いうちはまだ何とでもなるでしょう。でも20歳を過ぎて夢を追うのであれば、社会人としてやるべきことをやってからにするべきだと町田君が教えてくれています。

 

そして何より、就職だけはするよう彼に言い続けていた10年前の私は本当に正しかった。