4歳から始める中学受験

キッズデュオインターナショナル(Kids Duo International)に関連したあれこれはTwitter(@ganetter365)で呟いています。

長男の個性を何とかしたい

皆様こんばんわ

 

長男は来月4歳を迎えます。「4歳から始める中学受験」は姉である長女の4歳から、という意味でした。教育関係は一人目の子どもにいろいろと傾倒してしまいがちですが、子どもたちに対して教育格差を可能な限り設けないことを方針としているので、長女のことばかりを考えているわけにはいきません。

 

2人は当然姉弟なので似ているところもありますが、同じ親から生まれたのにこんなにも違いがあるのか、思うことが多々あります。預けられた保育園が違う等の環境が異なったことによって後天的に性格に変化が現れたのであればまだしも、先天的に大きく性格が異なります。

 

長男最大の特徴は、「1つのことをずっとしていられる」ということです。どこからが障害で、どこからが個性なのか、という話に発展すると私が知識も経験も持ち合わせていないので収拾がつかなくなりますが、日常生活を見ている限りたぶん長男は大丈夫な気がします。

 

いろいろな遊具がある公園に行くと、1つの遊具を数回遊んではすぐに別の遊具に移動して、を繰り返す節操のない姉と異なり、長男はいくつか巡って1つ楽しいと思える遊具を見つけると、それでひたすら遊び続けます。姉が1つにつき10分も継続して遊んでいられないのに対して、1時間くらい1つの遊具で遊んでいることが出来ます。

 

これにあまりにも固執して、周囲が全く見えなくなってしまうのであれば、集団行動や社会生活の中で苦労することもあるかも知れません。ですが長男は姉や友達から呼ばれれば大体ついてきて一緒に遊びます。ですがそれが一段落して、姉がまた次の遊具に移動したとなれば、またお気に入りの遊具に戻ってきます。

 

それしか出来ない、他がつまらないのでそればかりやっている、のであればこれもまた話が変わってきますが、例えば滑り台を例にすると、見てる側からすると永遠と繰り返し滑っているだけのように見えますが、本人は毎回イメージしているシチュエーションが異なるのか、何か新幹線や車などの乗り物になり切っているのか、同じに見えて同じ滑りなどないと言わんばかりに毎回楽しそうです。

 

姉と弟の2人だけを見ていると、どちらが一般的な子どもとしての性質なのか分かりません。ですがいろいろな友達と遊んでいると、1つの遊具で遊び続けることが出来ない方が多数派に見えます。何とまあ落ち着きもなければ集中力もないんだろうと思いますが、大体みんなそんな感じです。

 

 

そんな長男ですが、彼は手を洗うのに非常に時間がかかります。食後、キッチンの水道で手を洗うのですが、水道の伸びる吐出口を持ってシンク内の食器類に水を掛けて流れる様子を見たり、ハンドソープの泡を流して遊んだりと毎回楽しんでいます。

 

そういった水の流れや日常の中にあるちょっとした自然現象、科学っぽい現象によく惹かれる長男ですが、以前私の中で決定的となる出来事がありました。

 

食後にテーブルの片づけをしていた長男が、置いてあってチューブ型の小さな軽い塗り薬に手が当たった時、最も膨らんだチューブ中心を支点にして回転し始めました。それを見た長男はその回転が終わると、今度は息を吹きかけ始めました。ですが物体の支点やモーメントの知識や感覚がないので、チューブはそのまま滑って動いてテーブルから落ちてしまいました。

 

息を吹きかけて回転させたいのは見ていて明らかだったので、たまらず薬を拾い、「蓋のところに吹きかけてみ」と言うと、狙い通りチューブを回転させることが出来てその後しばらく回転させて遊んでいました。

 

この些細な出来事から私は2つの想いを抱えることになりました。

 

1つは「蓋のところに吹きかけてみ」という一言を、言うべきだったのか、言うべきではなかったのか、ということです。少なくとも薬を拾って彼の前に再び置くことは正しかったと思います。ですが、何も言わずに置いたとすれば、彼は再び自ら息を吹きかけたかもしれず、それが万が一、支点からずれたところに当たって偶然にも回転したとすれば、「親に言われてやってみたら回転した」よりも遥かに貴重な経験になったのではないか、と。

 

もちろん彼は息を吹きかければまた落ちてしまうかもしれないから、と何もしなかった可能性もあれば、チューブの中心を吹いて結局回転させることが出来なかった可能性も高いわけですが、同じように偶然生じた現象に子どもが興味を持ったら、極力手を貸すのは控えて、手助けは最後の最後にしようと思いました。

 

2つ目は「この個性を何とかしたい」ということです。「1つのことを長く続けることが出来る」かつ「些細な事象に関心を持つことが出来る」の2つは私の子育て経験の中で言えば「長男の個性」だろうと思います。

 

姉はこの個性とは全くの逆を突き進んでいる気がしますが、それを問題視するわけではなく、何事に対しても真面目に、一生懸命取り組める姉のことはむしろ全く心配していません。私に出来ることは彼女のその真面目さが生かせるような環境をよく考えて用意することに尽きます。

 

長男は日常生活のほんのわずかな瞬間で、詳しくは高校物理で学ぶ力のモーメントについて3歳で体験をして感覚的に理解をして、簡単な実験を行い、その事象を楽しいと思えるのです。

 

こどもちゃれんじ等様々な教材で「実験」を売りにしたものが多くありますが、こういったものが響くのはまさにこういう子なんだろうと思います。実際、姉は実験キットのようなものを何回か使ったことがありますが、ステップ毎に事象の確認はするものの「次は?次は何をすれば?」と手順を踏むことに一生懸命で、起こっている事象を楽しむという雰囲気ではありませんでした。

 

ここからは多少想像にはなりますが、長女は実験によって得られる結果・知識を他人に発信・披露することが好きな一方、長男は実験そのものを楽しみ、あれこれ考えて試すのが好きなタイプな気がします。どちらが良い悪いの話ではありません、しかし2人それぞれに実験をさせようとした時、やり方に正解・不正解は存在する気がします。

 

長女はテンポよく様々な実験を経験させて幅広く知識を得る方が楽しむことが出来て、長男は1つの実験、1つの事象にじっくり時間をかけ、こうしたらどうなるか、これをしたらどうなるか、と関連する知識も込みで取り組んだ方が楽しめるだろうということです。

 

 

話が逸れまくりましたが、要はこういった個性的な部分は大事にして、より深めていくことこそが今後長男のやりたいことに繋がっていくのではないかと思います。よく聞く話ですが、苦しみながら続けた努力が報われるのではなく、他人から見たら努力に見えるけど本人は楽しんでいるだけということこそが結果に繋がるという説に私は概ね賛成です。

 

日常の中で偶然出会う自然現象を大切に、子どもが興味を持った素振りを見せた瞬間を見逃さずに、というのは当たり前ですが、以前の記事で書いた中学受験に向けて私がやりたいことのうちの1つ、「不思議な物を家に置く」は長男にこそ響く試みなんじゃないかという気がしてきました。

 

今後も長男の個性を何とかすべく、長女に響かなかったことや、やらせてみようとすら思わなかったことも、積極的にチャレンジして行くべきだと肝に銘じておこうと思います。